今年1月、「全財産を家政婦に譲る」という資産家女性の遺言書の有効性が争われた裁判で、家政婦が全面勝訴を勝ち取った「事件」をご記憶でしょうか。報道されたのが、“何十年も仕えた家政婦vs実家に寄りつかずお金の無心ばかりしていた娘たち”という、まるでドラマのような構図だったこともあって大きな注目を浴びましたが、この事例について税理士の浅野和治先生は、どうみたのでしょう?
「子ではなく、家政婦に全財産を」という遺言書を有効と認めた裁判所
2016/4/19
◆「家政婦が着服」を却下
できごとの概要を振り返ってみましょう。1960年頃、地方から上京し、夫が映像会社創業者である資産家夫婦宅で住み込みの家政婦となった方が、裁判の原告です。
彼女は、夫のほうが84年に死去した後も妻に仕えていました。月給は、当初は月6万円、夫の死後は無給だったといいます。転機が訪れたのは、2011年。妻が97歳で亡くなったのです。 その妻は、03年に「全ての財産を家政婦の〇〇に渡す」という遺言書を書いていました。それに従えば、遺産の3000万円は家政婦さんのもの。ところが、遺産のほとんどは、実の娘さん二人によって持ち去られてしまいました。
住む場所を失った元家政婦さんは、いったん故郷に帰りますが、その後、遺産の返却を求めて娘さんたちを東京地裁に提訴します。 一方、娘さんたちにも言い分がありました。父親が母に残した遺産は10億円。亡くなった母の手元に3000万円しか残っていなかったのはおかしい。家政婦が着服していたのではないか。遺言書も、彼女が高齢の母を騙して書かせたものに違いない――。こう主張して、逆に着服金6000万円の返還を求めて、反訴したのでした。ちなみに、娘さん二人は、年老いた母親の面倒を家政婦に任せっきりなだけでなく、時々数千万円単位のお金を母から援助してもらっていました。そうした事実も裁判官の心証に影響したのでしょうか、判決は原告の全面勝訴。娘は3000万円の返還を命じられました。
大金はなぜ「消えた」のか?
「献身的に尽くした家政婦さんが勝ったのは、当然だ」。テレビや新聞は、おおむねこの判決を好意的に伝えました。ただ、謎も残ります。私はこの案件の詳細を知るわけではないのであくまでも想像の範囲の話だとお断りしておきますが、よくよく記事を読んでみると、「あれっ?」と思うことがいくつかあるんですよ。
例えば、家政婦さんが「無給で」働いていたというのは、どういうことか? 10億円が3000万円になっていたというのは、確かに目減りが大き過ぎはしないだろうか? あえて、娘さんたちの主張が正しいと仮定してみます。確かに私たち姉妹は、母から多額の援助を受けた。それには感謝しているし、世話を家政婦任せにしていたことは反省もしている。でも、10億円の大半がなくなるほどの金額は、絶対にもらっていない。高齢の母がそんなにお金を使うはずがない。家族の他の誰かが「抜き取った」としか思えないし、それができるのは家政婦しかいない――。このように、被相続人と相続人、あるいは相続を受ける人間たちの間でも、立場を変えて眺めてみると、「見える世界」が全く違ってくるのも、相続なんですよ。
ともあれ、ここまでのところ、「消えた大金の謎」は謎のままです。もし、娘さん側が控訴して、「誰がいつ、いくら預金を引き出したのか」などが精査されたら、新たな事実が浮上するかもしれません。
◆死んだ父の遺言書に、家族仰天の内容が!
「優しくしてくれたあの人に、遺産を譲る」
直接私が担当した案件ではないのですが、こんな事例を紹介しましょう。東京の高級住宅街の地主で、恐らく遺産が5億円は下らないという高齢男性がなくなり、相続になりました。妻はすでに亡くなっていましたので、相続人は息子と娘。彼らは、遺産を半分ずつもらえる、と当然のように考えていたわけです。ところが、お父さんは意外な遺言書を残していたんですよ。「遺産のうち5000万円はAさんに譲る」という内容でした。Aさんというのは、被相続人が日参していた自宅近くの喫茶店の店員をしている、60歳代の女性でした。
あらかじめ言っておくと、この事例は、高齢の男性に多額の遺産のあることを知った女性が、言葉巧みに近づいて……というパターンではありません。独り暮らしだったその男性は、喫茶店で「おばちゃん」とよもやま話をするのが、なによりの楽しみだった。Aさんのほうも、独居の老人を気遣って、時々部屋の掃除に出向いてあげる、という関係でした。そもそもAさんは、男性がそんな遺言書を残していること自体を知らず、慌てて店のオーナーに「こんなお金を、私がもらってもいいのでしょうか?」と相談に来たのです。
子供にとっては、寝耳に水
同様の遺言書でよくあるのが、「全財産を愛人に渡す」というお話。妻に先立たれて寂しくなったお父さんが、結婚相談所や「出会いパーティー」などで、明らかに財産目当ての女性に捕まって遺産の多くを持っていかれてしまう、といった事例が最近増えているのも事実です。 繰り返しになりますが、このケースはそれらとは違います。5000万円という金額にもそれは表れていて、被相続人は、恐らく人生最後の時間に親切にしてくれた人に心からの感謝の気持ちを示すつもりで、財産の10分の1程度を渡そうと考えたのでしょう。
とはいえ、それはあくまでも被相続人の気持ち。10分の1とはいえ、「遺産は全部自分たちで分けるもの」と信じていた子供たちにとっては、寝耳に水の事態が起こったのでした。そもそも、彼らはAさんの存在自体を、遺言書を見るまで知りませんでした。父親が通っていた喫茶店のウェートレスだと分かり、2度びっくり。「親父は騙されたのではないか」と考えるのは、ある意味自然なことかもしれません。しかし、有効な遺言書がある以上、「父の遺志」を覆すことはできないのです。
あえて補足すれば、法定相続人には、たとえ遺言書があったとしても認められる最低限の取り分=遺留分があります。今回の場合、子供の遺留分は、法定相続分である1人2分の1ずつの2分の1=4分の1。遺産が5億円だとすると1億2500万円です。では、遺言書に従ってAさんに5000万円渡した場合の、子供の取り分は? 残りの4億5000万円を均等に分けたとすると、1人2億2500万円になります。遺留分を楽々クリアしていますから、この点でも問題ありません。
結局、遺産分割まで1~2年は“すったもんだ”がありましたけど、遺言書通り5000万円はAさんが受け取ることになりました。遺志を通せたお父さんはハッピーでしょう。しかし一方で、想定外の相続になった子供たちには、大きなわだかまりの残る結果になってしまいました。そもそも被相続人は。どうして子供が困惑するような形で遺言書を残したのでしょうか? 次では、そこを考えてみたいと思います。
◆遺産をもらいたいのなら、すべきことがあるのでは?
どうして「他人」に遺産を?
さきほど、懇意にしていた近くの「喫茶店のおばちゃん」に、遺産の一部を譲る内容の遺言書を残して亡くなった、高齢男性の話をしました。一部とはいえ、赤の他人に遺産を「奪われた」形の子どもたちは、困惑するやら憤るやら。でも、この男性も子どものことが憎くてたまらなかった、というわけではないと思うんですよ。「おばちゃん」に渡そうと思った金額は遺産の10分の1程度で、残りは子どもたちで分けるように、という相続だったのですから。
では、なぜわざわざ彼女にも遺産を相続させようとしたのでしょう? 人生最後の時に親切に接してくれたことへの感謝の気持ちは、もちろんあったのだと思います。ただ、それだけではないように、私には感じられるんですよ。 これもさきほどお話ししましたが、彼女は高齢の男性のことを気遣って、時々独り暮らしの部屋の掃除に出向いていたりもしたんですね。そんな彼女のことを、二人の子どもは全く知りませんでした。そこに見えてくるのは、妻を亡くして独り暮らしになった父親の家にさえ、子どもたちはほとんど顔を出していなかった、という親子関係です。
あくまでも推測ですけれど、他人でさえこれだけ自分のことを気にかけてくれるのに、実の子どもは一切面倒をみようとしない。そんな彼らに対する怒り、戒めの気持ちを、遺言書に込めたのではないかと思うのです。あえて付け加えておけば、子どもたちは不満だったでしょうが、ある意味「戒め」ですんでよかったのかもしれませんよ。世の中には、相続人に対して本気で腹を立てた末に、「どこそこの施設に全額寄付する」といった遺言書を残す人もいるのですから。
遺言書の「怖さ」を認識すべき
そんな万が一の事態を避けたいのだったら、相続人にも努力すべきことがあるように思うのです。ひとことで言えば、最低限の「親子の絆」くらいは保っておくことが必要なのでは。たとえば、盆暮れくらいは、親の顔を見に実家に帰る。おせっかいに聞こえるかもしれませんが、特に今の高齢者世代は、そうした「ルーチン」をきちんとやらないのが許せないわけですね。そんな些細なところから、親子関係が崩壊していくこともあるのです。
個人的には、遺産が欲しいのだったら、年老いた親の面倒を見る気持ちを持つべきだと思いますよ。どこまでできるのかは生活の状況などによっても違うと思いますけど、少なくとも、近所のおばちゃんが掃除にきてくれているのも知らないようでは、まずいでしょう。逆の言い方をすれば、親と関わりたくないのだったら、遺産についてはスッパリ諦める覚悟が必要ではないでしょうか。 誤解してならないのは、遺産はそもそも被相続人のもので、誰に譲るのかは基本的にその意志に任されていることです。そういう意味では、相続人にとって、遺言書はとても「怖い」存在でもあるんですよ。それを忘れないでほしいですね。
◆相続人が困らない賢い遺言書の残し方
3種類ある遺言書
さきほど、「遺言書は、相続人にとって『怖い』存在だ」と言いました。遺留分(※1)さえ侵害しなければ、家族にとって赤の他人だろうが、何かの団体だろうが、基本的に自由に遺産を渡すことができるのですから、そう表現しても言い過ぎではないでしょう。 ところで、その遺言書には、「自筆証書遺言書」「公正証書遺言書」「秘密証書遺言書」の3種類があり、要件さえ満たしていれば、法的な効力などに違いはありません。
「自筆証書遺言書」は、その名の通り全文を自筆で書くものです。それに対して「公正証書遺言書」は、公証役場に出かけ、公証人に作成・保管を依頼します。寝たきり状態で役場に行くのが困難な場合には、自宅や老人ホームなどに公証人が「出張」もしてくれますよ。他方、「秘密証書遺言書」は、自分で書いて封をした遺言書を公証役場に持っていき、その存在を証明してもらうやり方です。実際には、「自筆証書」か「公正証書」で残す場合がほとんどと言っていいでしょう。
それぞれに、メリット・デメリットはあります。「自筆証書」は、比較的簡単に書けて、費用もかかりません。ただ、「簡単に書ける」ということは、それだけミスも犯しやすいということ。例えば押印を忘れたりすれば、法的な効果は認められなくなってしまうんですね。紛失したり誰かに偽造されたり、といった危険性もあります。一方、「公正証書」の場合は、公証人が作って保管してくれますから、間違いのない遺言書が残せるうえ、偽造などを心配する必要はないでしょう。半面、「自筆証書」に比べると作成が面倒で、コストも発生します。まあ、大切な財産の分け方を書くのですから、多少面倒であっても、安心・確実な公正証書遺言書にしておくのが、ベターだといえるでしょう。
「遺言信託」にしたほうがいい?
あえて言っておけば、さらに安全性を高めるためには、「遺言信託」がいい、という人もいます。最近、いろんな広告でも目にするようになった遺言信託とは、簡単に言えば、信託銀行に依頼して、さきほどの公正証書遺言書を作成したうえで、銀行がその正本を保管し、遺言者が亡くなったら彼らが遺言執行人(※2)となる仕組みです。
「銀行がすべて取り仕切ってくれるから安心」という思いを否定はしませんが、「遺言信託にしなければ危険」ということはないんですね。逆にプラスばかりとは限らないことも、経験上申し上げておきたいんですよ。遺産分割が順風満帆に進めば、問題はありません。ところが、少しでも揉め事が起こると、その時点で銀行による遺産執行は止まってしまいます。そして、相続人の間で話をつけてからいらしてください、というスタンスに終始。銀行は、争いのフォローまではしてくれないのです。
結果的に、相続人の代表や弁護士などが遺言執行人になっている場合に比べて、解決までの時間が長引くこともあるんですね。加えて、信託にするためには各種の手数料などを支払わなくてはなりません。そうしたことも十分検討したうえで、なお必要性を感じたらそのやり方をチョイスする、という姿勢でいいと思いますよ。
遺言書があっても、法定相続人が最低限受け取ることのできる取り分。
※2 遺言執行人
財産目録の作成、相続財産の管理、遺言の執行に必要な一切の手続きを行う。相続人の1人がなったり、弁護士や司法書士など専門家に依頼したりすることができる。
◆書くのは臨機応変に。それも遺言書作成のポイント
「手遅れ」になった相続
医師をしている高齢の男性が、体調を崩して入院しました。お医者さんだから、自分の体のことも分かるのでしょう。「もう長くはなさそうだ」と悟り、相続のことを考えました。相続人は、今の妻と前妻との間の子どもの2人。黙っていれば、法定相続分である、それぞれ2分の1ずつでの遺産分割になりそうでした。しかし、この方は「遺産の全額を今の妻に譲りたい」という気持ちを持っていたんですよ。前妻の子との関係がどうだったのかは分かりませけど、財産がそちらに行くのは嫌だったようなのです。そこで遺言書の作成を思い立ったまではよかったのですが……。なぜか医院の顧問税理士である私ではなく、別の司法書士に依頼したんですね。実は、それが間違いの元でした。
司法書士さんは、「安全・確実」な公正証書遺言書の作成を提案し、準備を進めたそう。ところが、結局作業は間に合わず、遺言書を書く前に男性は亡くなってしまったのです。残念ながら、男性の遺志は生かされることなく、遺産は妻と前妻の子とで半分ずつにするしかありませんでした。 私だったらどうしたか? 迷わず、病床で自筆証書遺言書を書いてもらったでしょう。「全財産を妻の〇〇に渡す」と書いて、あとは日付と署名、捺印だけでOK。たとえ前妻の子が遺留分(※3)を請求してきたとしても、遺産の大半は今の奥さんが手にできたはずなのです。公正証書遺言書で万全を期したいのならば、そのうえで作成の作業を進めればよかった。
「自筆」であっても、効力は変わらない
反対に、一般の方が「こんな書き方で大丈夫なのか」と感じられるような「紙」が1枚あったおかげで、被相続人の思いが通じた例も、私はいくつか知っています。たとえば、「遺産のすべてを次の者に譲る」と、何人かの名前だけを記して亡くなった事例がありました。書かれていた人の中には、本来法定相続人ではない親族が含まれていたし、逆に相続人なのに名前が漏れている人もいましたね。繰り返しますが、それでも確かに本人の自筆で、署名などの要件を満たしていれば、公正証書遺言書と何ら遜色のない遺言書なのです。それを基に、粛々と遺産分割の作業を進めることができました。
今現在、「特定の人に多く遺産をあげたい」、あるいは「この相続人だけには渡したくない」といった、法定相続分とは異なる遺産分割をしたいと考えていたら、すぐにでも遺言書を書くべきだと私は思います。さきほどのお医者さんの例のように、元気が亡くなって臥せってからでは、いろんなアクシデントも起こりやすくなるんですよ。 ちなみに、遺言書は何度でも書き直すことができます。自筆証書遺言書だろうが公正証書遺言書であろうが、日付の新しいほうが有効。そんなことも頭に入れて、「今の考え」をしたためてみては。
遺言書があっても、法定相続人に認められた最低限の遺産の取り分。この場合は、法定相続分2分の1×2分の1で、遺産の4分の1となる。
◆相続で評価されない「親の介護」
なぜ介護の貢献は認められないのか?
以前、「親の遺産が欲しければ、その面倒を見る気持ちを持つべきだ」とお話ししました。ただ、それが口で言うほど簡単なことではないことも、私は十分認識しています。親と同居しているというだけで、「部屋で倒れていないか」などと気になって仕方がない。まして寝たきり状態を介護しているような場合には、その肉体的、精神的な苦労は想像するに難くありません。
そんな親が亡くなって、相続に。その場で、「あれだけ大変な思いをして親の面倒をみてきたのだから、そのぶん遺産を多くもらいたい」と考え、主張する気持ちもよく分かります。でも、実際には、「相続において他の相続人よりも優遇しよう」という「寄与分」(※4)が認められることは、ほとんどないと考えてください。通常の介護は、扶養義務の範囲内とみなされるからです。義務を果たしただけでは、「見返り」はありませんよ、ということですね。遺産の上乗せが認められるとしたら、例えば同居の子どもが介護したことによって、本来必要だった高額の介護サービスの利用やヘルパーの雇用などをしなくてよくなり、結果的に親の財産を維持することができた、といった「特別な寄与」があった時。正直、適用は限られるでしょう。
もっと根本的な問題もあります。「長男夫婦が同居して、親を介護した」といいう場合、現場でそれに携わっているのは、いったい誰でしょう? 多くは「夫の妻」だと思います。ところが、彼女は一生懸命介護していた義理の親が亡くなっても、その法定相続人ではありません。遺産を受け取る資格が、そもそもないのです。 個人的には、相続における「介護の寄与」は、もう少し法律でカバーしてもいいのではないかと感じますね。高齢化で介護は長期化し、なおかつ国は「地域包括ケア」で、在宅介護を推進しようとしているのですから。
遺言書を活用する手がある
ともあれ、どんなに自分の生活を犠牲にして献身的な介護を行ったとしても、自動的に他の兄弟よりもたくさん遺産がもらえるわけではないという、介護をする側にとっては厳しい現実があります。ただし、この「理不尽な」状況は、親の側がその気になれば、大きく変えることも可能なんですね。例えば「介護をしてくれた長男の嫁に、これだけの遺産を譲る」という遺言書を作っておけばいいのです。 これもすでにお話しした通り、法定相続人の遺留分(※2)を侵害しない限り、被相続人は誰にでも遺産を渡すことができます。相続人以外でもOK。こんなふうに被相続人の遺志を実現できる遺言書を、ぜひ有効に使ってほしいと思います。
ただ、あまりのサプライズは「争続」の元にもなります。こうしたケースでは、生前に子どもたちの前で、「介護をしてくれる嫁に、多少の遺産を譲りたい」といった話をしておくことも大切。兄弟間に「確かにそうだよね」という雰囲気が出来上がっていたら、話し合いもスムーズに進むはずですよ。
相続において、「被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした」(民法904条の2第1項)相続人を、他の相続人よりも優遇しようという制度。
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